どこまでも広がる水平線!
海の街で味わう至福のひととき
故郷に貢献できるカフェを開きたい
「お店を開くなら、絶対に絶景カフェがいいと決めていました」そう語るのは、2023年に大船渡市でオープンした「CAFE gull」の店主、佐々木ひろみさんです。
佐々木さんは大船渡市の出身で、高校卒業後は他県へ移住。フラワーアレンジメントの仕事を長く続けてきました。
あるとき「両親が元気なうちに地元へ戻ろう」と、Uターンを決意。「せっかく戻るなら、地元に貢献できることがしたい」と考え、大船渡の美しい風景を生かした“絶景カフェ”を開くことにしました。
大船渡市といえば、県内有数の港町。三陸の海は「世界三大漁場」として知られていて、一年を通して新鮮な魚介類が水揚げされています。
市内には玉砂利が敷き詰められた碁石浜や、断崖絶壁が見られる 乱曝谷 など、海にまつわる見どころがいっぱい。
佐々木さんも、そんな大船渡の素晴らしい海が一望できるカフェを作りたいと考えたのです。
知人の紹介でピッタリな土地を見つけたものの、そこは雑木林が広がる 場所 。まるで海が見えない環境でしたが、偶然にも造成工事などを手掛ける会社の社長さんと知り合い、店を開く準備ができたのだそう。
佐々木さんは当時のことを「鳥肌が立つくらい不思議な巡り合わせが重なって、無事にオープンできました 」と、振り返ります。
港町ならではの外観とインテリア
やがて、地域にある長崎漁港を見下ろす崖の上にオープンした「CAFE gull 」。アイアン好きの佐々木さんは洋上コンテナをつなげて店舗にし、大海原の風景と馴染むカフェに仕上げました。
店の扉を開けると、視界いっぱいに広がる水平線がお出迎え。思わず「すごい…!」と、声を上げてしまいます。
店内にはヴィンテージの家具や椅子などが配置され、どこか懐かしさを感じる雰囲気。店の外には庭が広がっていて、そちらにもテーブル席がひとつ用意されています。
ぼんやりと海を眺めていると、時折、タンカーやフェリーがゆったりと横切っていきます。佐々木さんが、「ちょうど店の前が航路になっているので、塩釜や仙台と行き来する船が見られ ますよ」と、教えてくれました。
カウンターには双眼鏡が置いてあり、バードウォッチングならぬシップウォッチングも楽しめます。
何度でも味わいたくなる絶品メニュー
そんな「CAFE gull 」で人気のメニューといえば、なんといっても「空と海のクリームソーダ」です。
バニラアイスの上には、チョコレートで作られた小さなカモメをトッピングしています。
そしてもう一つ、ぜひ味わっていただきたいのが「天色ラテ」です。こちらは優しい甘さを感じるミルクの上に、バタフライピーの青が映えるオシャレな一杯。バタフライピーは酸に反応するため、レモンを絞って軽く混ぜると、あっという間に紫色へ変化していきます。
「お席へ運んだとき、お客様に『わぁ~』と喜んでいただけるのがうれしいです」と、笑顔で語る佐々木さん。「天色ラテ」はホットもあるので、ぜひ季節ごとの味を楽しんでみてください。
ほかにも旬の食材を使った「厚焼きキッシュプレート」や、濃厚なデミグラスソースがかかった「トリプルハンバーグプレート」など、ランチメニューも充実。お昼時は特に混み合うので、旅の途中で立ち寄る際は、前日までに電話で予約しておくと安心です。
オリジナルブレンドのコーヒーも人気
「CAFE gull」では、おいしいコーヒーも人気の一つ。仙台から仕入れている豆は、味わい深く飲みやすいのが特徴です。なかには「今まで砂糖を入れないとダメだったのに、このコーヒーならブラックで飲める!」という人もいるほど。佐々木さんも以前は紅茶派でしたが、このコーヒーと出会ってそのおいしさに気がついたといいます。
店内ではコーヒー豆の販売もしていて、店をイメージした「gullブレンド」と、長崎漁港を思って作られた「nagasakiブレンド」の2種類を用意。お土産にして、自宅で「CAFE gull」と絶景を思い出しながら味わうのもオススメです。
ときには「CAFE gull」を目当てに、「初めて大船渡に来た」という人もいるそう。「少しでも地元に貢献したい」という思いで店を開いた佐々木さんにとって、何よりうれしい言葉だといいます。
店でのんびり過ごすのも良し、市内を観光した後でカフェに立ち寄り、とっておきのドリンクを味わうのも良し。ここを訪れる人たちは、それぞれの旅のスタイルに合わせて大船渡の街を満喫しているようです。
果てしなく続く絶景が味わえる「CAFE gull」。ぜひ一度、訪れてみてはいかがでしょうか。
店舗データ
店名
CAFE gull
URL
お問い合わせ
0192-22-9987
住所
岩手県大船渡市赤崎町長崎 11-4
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